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2017.08.13
モデル、舞台女優、ダンサーと、日本に留まらず世界で活躍している蘭舞(らんま)ゆうさん[96期花組男役]に、宝塚受験までのエピソードや受験生に向けてのメッセージを聞いてきました。インタビュー後編です。
瞳 試験当日のことは覚えてる?
蘭舞 私の時は、1次試験から声楽もバレエもあったんです。バレエで印象的だったのは、お姉さんがずっと前で踊ってくれることですね。振りを覚えられなくても、緊張して途中で忘れてしまっても、踊り続けることができる環境を作ってくれているので、全然緊張はしませんでした。
あと、リズムダンスのことはよく覚えています。前の年までずっとあったので、今回もあるだろうと思っていたんですけど、今まで私がレッスンしていたジャンルって、HIPHOPとかJAZZだったんです。宝塚の試験だし、リズムといえども、宝塚の舞台で使っているような音楽がくるのかなと思っていたら、本当にリズムだけがきたので衝撃で。笑
今でも振り覚えています。
瞳 2回目の受験で合格したけど、1回目の時と何が違った?
蘭舞 やっぱり中身を知って、知識を入れたことですね。1回目は、宝塚について何も知らなかったし、太っていたこともあるけど、興味がない人って、見ている審査員にも分かると思うんですよ。
2回目は真剣に入りたかったし、安蘭さんみたいな男役さんになって舞台に立ちたいという目標があったから。私、人生で初めて物事にハマったのが宝塚だったから、それが伝わるようにアピールはすごくしました。たぶん、それが一番重要な気がする。
私、インスタのライブで受験生と会話することがあって、「どうやったら」っていう質問をもらうんですけど、人それぞれ違うし、その人のこともよく知らないから、どうやったらいいか分からないけど「絶対宝塚に入りたいんだ」っていう意思をはっきり伝えることが大切じゃないかな。
瞳 今の受験生にアドバイスはある?
蘭舞 何も知らないまま受験会場に向かうのは無謀だと思う。昔は、宝塚のことは専門誌くらいにしか載ってなかったけど、今は、普通のファッション誌に載っていたり、宝塚というものが身近になってきたから、色んな情報を入れた方がいいかな。
あと、歌もダンスもやっぱり必要だから、声楽のレッスンでどこに行けばいいか分からなかったら、とりあえずカラオケに行って好きな歌を歌ってみる。ダンスも体験レッスンだけでも行ってみるとか。それだけでも違うと思う。
今って、1次試験にバレエはないし、それまでに少しでも体を柔らかくするとか、少しでも綺麗になるように、肌の手入れをするとか、食べるものに気をつけるとか、受験までにできることって沢山あると思う。今、出来ることを沢山探す!そうしたら合格に近づくんじゃないかな。
〜インタビューを終えて〜
蘭舞くんとは、安蘭けいさんに憧れて宝塚を目指したという共通点もあり、期は6つも違うけど、仲良くしてもらっていました。
花組に配属されてすぐ「あの子のダンスには色気がある」と私の一押しのダンサーでしたが、そんな蘭舞くんが、受験前に太っていた時期があったとは驚きでした。今の抜群のスタイルからは想像つきません。
背景には、お母様からのアドバイスである「食べて痩せる」理想的なダイエットがありました。ダイエットで悩んでいる受験生は多いと思いますので、受験生もご家族も方も、是非、参考になさってください。
今回のインタビューで印象的だった言葉。
「私、人生で初めて物事にハマったのが宝塚だったから」
何かに一直線に、そのことしか見えないほどハマることが出来る人は強いです。好きなことを語る目はキラキラと輝き、熱意はパワーとなって溢れ出てきます。それが「勢いがある」というのかな。
受験には技術も大事ですが、もう誰にも止められないという勢いも大切です。
もし、今の自分には勢いがないなと感じたときは、好きなDVDを見る。もう一度、自分がどれくらい宝塚のことが好きで入りたいと思ったのか確認して、自分を再燃させてくださいね。