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2017.09.16
宝塚受験生が課題としている「ダイエット」
痩せなければならないけど、どうしたらいいか分からない。という疑問に、私自身、受験時に間違ったダイエットをしてしまった経験から、受験生の皆さんに正しいアドバイスが出来ないと感じました。
受験スクールでも具体的な指導がないということで、今回、アスリートの栄養サポートなどを専門に行っている管理栄養士の金剛地舞妃先生に受験生のダイエットについてお話を伺いました。インタビュー後編です。
—いつも元気に動けるように、疲れない体をつくるにはどうしたらいいのでしょうか。
疲れない体作りのための食事の基本は、日常的に栄養バランスの良い食事をすることです。それを前提として、その他関与するのは、女性に不足しがちな「鉄」なんですよね。
毎月、月経があるので、男性よりも鉄の必要量が多くて、お肉とかお魚を食べないと鉄不足になってしまいます。鉄は、体中に酸素や栄養素を運んでくれる材料になるので、それが少ないと貧血状態になってしまうんです。
疲れやすいなと思ったら、原因が鉄不足だったということが結構あるので、鉄をしっかりとるという意味で、お肉やお魚、卵、大豆のタンパク源をしっかりとることが重要です。鉄の吸収をよくしてくれるのが、フルーツに豊富に含まれているビタミンCという要素なので、両方一緒にとることが大切。野菜にももちろんビタミンCは多いので、肉料理と野菜料理とフルーツを一緒にとることがすごく重要です。
—フルーツも食べた方がいいのですね
もちろん食べ過ぎは良くないですが、1日1食はフルーツをとったほうがいいと思います。フルーツは全体的にビタミンCが豊富なんです。ビタミンCって色んな働きをしているのですが、免疫力を高めてくれたり肌を綺麗にしてくれる。ストレスがかかるとビタミンCは消耗されてしまうので、1日のどこか、おやつとしてでも食べるとすごく良いですね。お弁当にオレンジを切っていったりキウイ1個持って行くとかもいいですね。
—今サプリメントも色々出ていますが、サプリメントには頼らないほうがいいですか?
サプリメントも活用しやすいものでもあるけど、逆に過剰摂取になってしまって良くない場合もあるので、もちろん活用していくのはいいのですが、まず食事でとってみて、今日は食事が乱れてしまったなと感じた時にサプリメントを活用するのがいいと思います。
—追い込み時期に気をつけることはありますか?
引き締めるということを考えると、より食事に気をつけたほうがいいと思います。
女の子ってお菓子がすごく好きだから、合間に食べたりすると思うんですけど、受験が近づいてきたらなるべく控えてもらったほうがいいかな。
お菓子って「エンプティカロリー」って言われていて、カロリーはあるけどビタミンとかミネラルの栄養素はあんまりないんです。でも、心を豊かにしてくれるものではあるので、食べたらダメではないですが、なるべく勝負の時には、食べ物からパワーをもらうという意味で、空のカロリーではなくて、体を綺麗にしてくれるとか強くしてくれる栄養素をしっかりとることを意識する。
あと、体を綺麗にしてくれる栄養素って、野菜や果物に豊富なんですよね。食物繊維やビタミンC、カルシウム、鉄をとるために、より野菜をしっかり食べることと、身体の材料となるタンパク源もしっかりとること、体力を使うと思うのでご飯もしっかり食べましょう。
—普段お菓子を食べていいということが意外でした。おすすめのお菓子はありますか?
今って機能的なお菓子が沢山出ていて、食物繊維やタンパク質もとれますよっていうクッキーとかあるんです。そういうものでもいいし、あとは、なるべくポテトチップスなど揚げ物はさけたほうがいいかな。
チョコレートとか、何かのご褒美で1粒だけ食べるとかなら全然いいと思う。お菓子だけでお腹いっぱいになるのはよくないけど、食事に支障をきたさないくらいの、気分転換の1粒ならすごくいいと思います。今日も頑張るためにこれを食べる!とか、試験でパフォーマンスを出せるようにこれを食べる!とか、ちょっと願掛けも含めていいのかな。
チョコレートにはポリフェノールが多いので、カカオの%が多いものだったり甘くないものもあるので、うまく活用するのもいいですね。
—普段の飲み物は、やはりお水がいいですか?
できれば、お水やお茶がいいですね。
甘いジュースって、知らないうちに沢山お砂糖をとってしまう。甘い物を飲みたいんだったら、果汁100%のジュースを一杯だけ!とか。
—お話を聞いて「ダイエット=いいものを食べる」という認識に変わりました
単純に体重を落とすなら食べないのが一番簡単ですが、それでは体を壊してしまいます。それに反動で一気に食べちゃったりして、精神が安定しなくなってしまうんですよね。食べないダイエットをして痩せて、反動で食べちゃって太るというのを繰り返して、どんどん代謝の悪い体になってしまう。本当にちょっとしか食べてないのに太っちゃうとか、食べてないのに全然痩せなくなったりするんです。もし、食べないダイエットをして体調悪くなった人がいたら、ちょっとずつ食べていくと、余分なものがどんどん落ちていくとか、食べているけど太らない体になっていくと思うので、ちゃんと「食べるという習慣」をつけたほうがいいですね。
—今日教えていただいた知識は、受験生だけでなくお母様方にも理解していただいて、しっかりサポートしてもらいたいですね。毎日の食事なので大変だと思いますが、楽に一皿で栄養素がとれるレシピなどありますか?例えば、野菜たっぷりスープはどうでしょう
それもいいですけど、野菜スープだけだと足りないので、卵を入れるとか鶏肉を入れるとかタンパク質をプラスするだけでもっと良くなります。
朝なんてすごく忙しいし、そんな定食みたいに揃った食事は食べられないと思うので、具沢山スープとおにぎりとか。それだけでも食べられればいいと思います。
—毎食きっちり定食を!と考えなくていいんですね?
もちろんです。その時にできる最大限をすればいいと思います。朝なんて、沢山作るのも沢山食べるのも難しいと思う。だけど、なるべく今の状況で沢山栄養素がとれる食事は何だろうって考えることが大事です。
何品もお皿があるというイメージは一番理想的ですけど、一皿にいっぱい栄養素があるっていうのもいいと思います。先程お話にでた具沢山スープとか、冬だったらお鍋。具沢山のうどんとかそういうものでもいいと思うので、できる範囲でちょっとずつ良くしていくという意識があればいいと思います。食べ物は味方になってくれるので、いっぱい味方につけたほうがいいですよ。
【プロフィール】
金剛地 舞妃 (管理栄養士)
短大を卒業後、栄養士養成校で助手として勤務。退職後大学へ編入学し、スポーツと栄養に関する学びを深め、現在はラグビーやフェンシングなどのアスリートに対して競技力向上のための栄養サポートなどを行っている
〜インタビューを終えて〜
最初に、理想的な食事をお聞きした時に「定食を思い浮かべてもらったら」と返ってきたときは、正直、毎日作るのは大変そうだなと感じていました。でも、一皿にいっぱい栄養素があるのもいいということで、野菜スープなら作り置きもできますし、如何に簡単に栄養を沢山とることができる食事を考えるのも楽しそうだと思えてきました。
もう9月中旬で試験までの期間も短いです。10月11月には願書に貼る写真も撮らなくてはいけません。写真に綺麗に写るために、今から少しずつ食事を良くしていきましょう。
今後、「受験直前の食事」をテーマに、金剛地舞妃先生にリアルセミナーやネットセミナーを開催して頂く予定です。また、お知らせしますね。