[宝塚OGインタビュー]瀬稀ゆりとさん

元宝塚歌劇団 星組 瀬稀ゆりとさんに宝塚受験のエピソードをお聞きしました。

合格までの道のりはそれぞれ。皆さんのモチベーションアップに繋がればと思います。

 

―宝塚を目指したきっかけは?

クラシックバレエを習っていて、舞台上で踊ることが好きだったので、それを仕事にできるところはないかなと思っていた時に出会ったのが宝塚でした。

他にもミュージカルダンサーという道もあるなと思っていましたが、中学校3年生の夏頃に、宝塚は、音楽学校で2年間勉強してそれから舞台に立てるシステムがあることを知ってここにしようと決めました。

 

―宝塚を目指す前は将来は何になりたいと思っていた?

それまでは、バレリーナになりたいと思っていましたが、当時、日本のバレエ界では背が高すぎたり、あまり上手くいかなくて、スランプに陥っていました。進路について悩み始めていた時期で、最初にテレビで宝塚を見てハマって、それを見ていた祖母が観劇に誘ってくれて、中学3年生の秋に、宝塚大劇場で星組の「王家に捧ぐ歌」を見ました。

そこから本格的に受験スクールを探しました。

 

―ご両親は宝塚受験は応援してくれた?

受験は許してくれましたが、高校を卒業して大学が決まったら、高校3年生の1回のチャンスにかけなさいという教育方針でした。

でも周りの受験生は、次の受験に向けてものすごくストイックにレッスンしているのを見て、私も受けられる年齢であるにも関わらず受けないというスタンスがむず痒く感じていて。

それを見ていた受験スクールの先生が、親に、とりあえず1回受けさせてみてはどうかと説得してくれました。そこから急ピッチで4ヶ月くらいで、どうにか間に合うように、課題曲とコールユーブンゲンは完璧に覚えて歌えるようにして、新曲は完璧に歌うのはもう無理だから、それ以外のところでアピールしてきなさいと背中を押していただいて受験しました。

運よく1回で合格できました。

 

―合格したとき、ご両親は喜んでくれた?

まず、1次に合格した時点ですごく嬉しかったので、2次に行ってから皆さんの出来上がりに驚いて、私は落ちたなと思いました。自分はまだまだだけど、まだ中卒だし、バレエだけ必死にアピールして、あとは楽しもうと。できないこともプラスに考えていました。

親には「受からないと思う」と言いました。そうしたら、じゃあ帰りに京都でも旅行して帰ろうかって。

合格発表も私1人で見に行くから来なくていいよと言っていたけど、まさかの合格することができて、親は大慌てでしたが喜んでくれました。

 

―どうして合格できたと思う?

一心不乱に自分をアピールすること、レッスンの成果を披露すること、もしかしたら、これからの伸び代を評価していただいたのかなと。これが完成形でなく、まだまだ発展途上だぞということをアピールできていたのかなと思います。

本当に、こんなに自分が全てをかけて何かをやったことがないくらい、学校の授業中も腹筋に力を入れて、内筋を締めながら授業を受けたり、学校以外の時間は、暇があればコールユーブンゲンを確認したり、レッスン時間以外にも、少しでもお肌を綺麗にしたり、ちょっとした時間にも何か受験の役に立つようにしていました。

 

―アピールってなかなか難しいよね。良い表情を出すのが難しい子にアドバイスあるかな?

最初私も踊るときに無表情で、先生から「バレエが踊れても、まず顔を見てから踊りをみるから」と言われました。結局先生に言われても、自分が本気で変わろうと思わないと殻を完全に破ることはできない。

初めはぎこちなくても、とりあえず口角をあげて笑ってみる。

ここで殻を破って表現することができないと、絶対に舞台に立ってからも表現はできないとも言われました。この道を選ぶのだったら、内から何かを表現できるようにならないと、魅力的な舞台人になることはできないと。

あとは、そういうのが得意な子を見て真似する。楽しそうに踊るのが上手な子とか、嬉しそうな表情が素敵だなと思う仲間から見て学ぶことも大事です。

 

―辛かったことは?

歌に関しては、本当に音が取れなかったし声も出なかった。何を改善したらいいかよく分からなかった。

毎朝、学校に行く前にコールユーブンゲンを一通りレッスンするのと、音の全音や半音を自分の声帯が出せるようにレッスンしていたのは覚えています。

だんだんレッスンしていると、耳が出来てきて、自分の出している音が違うなというのに気づき始めました。最初の頃は、自分の声しか聞こえなくて、何が違うかわからずに違う音を出し続けていたので。レッスンを続けると、まず自分の音が違うということに気づけました。そのあと、声帯も筋肉だから音痴は治せる。音の幅を声帯が覚えるまで練習しなさいと言われました。ひたすらピアノを叩いていましたね。

 

―受験生へのメッセージ

自分に悔いが残らないように、できる限りの準備をする。受験当日にもっとこうしたかった、ああしたかったというのはあるかもしれないけど、自分がもてる限りの時間を全て使って取り組んだということが1つの自信になって、その自信が輝きや表情、目の力強さに繋がると思うので、日頃のレッスンは集中する。

ちょっとした時間も全部受験のためになることに使う。受験会場では、今までやってきたことを発散させる。そうしたら、たとえ合格できなくても、レッスンした経験は必ず自分の力になると思うし、必死になってストイックに練習していた期間が糧になると思う。

そして、それを楽しむ。もっとやりたい!信号待っている時間ですら、姿勢を気にするとか、やらなきゃ!ではなくて、楽しんでやると、夢への第一歩になるのではないかなと思います。

 

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