[専門家インタビュー]宝塚受験生の味方になる睡眠①

宝塚受験と睡眠ってどんな関係があるの?と思う受験生が多いかもしれません。でも睡眠は、今とても注目されている大きなテーマなんです。健康や美肌はもちろん、モチベーションやパフォーマンスを高めるためにも、あらためてその価値にスポットが当たっていて、「良い睡眠」をどう取り入れていくか、大学や企業などで研究が盛んになっているんです。

そこで今回は、「睡眠は技術」をコンセプトに掲げ、睡眠を計測するデバイスを独自で開発したり、企業向け睡眠改善プログラムを国内の大手企業に提供している、株式会社ニューロスペースの小林孝徳社長から、宝塚受験生の日々の生活に参考になりそうな興味深い話をお聞きしました。

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—睡眠というと、疲れをとるとか美容のためとか、大事だとは知っていても、実はよく分かっていなかったり、ないがしろにしていることが多いような気がします
よく驚かれるのですが、ゴールデンタイムってあれ嘘なんですよ。多くの人が22時から2時まで美容のために寝ておきましょうとか、新しい肌の再生をするための成長ホルモンが分泌されるから寝ましょうと言われるのですが、それって実は時間に依存しないのです。極端な話、午前3時に寝て午前10時に起きるという生活をしていても分泌されます。

—えっ!驚きました。ではなぜ、そのように言われているのでしょうか?
眠りはじめから3時間くらいで、成長ホルモンやメラトニンなどの美容や肌荒れ防止につながるホルモンが分泌されるのは事実です。昔、日本人の平均の就寝時間は22時くらいだったので、平均の22時に寝ると、そこから3時間くらいの間に成長ホルモンが分泌されるので、その間は絶対寝ましょうと言われるようになったのです。

—他に、私たちが間違えた知識で覚えていることってありますか?
ホットミルクを飲むと良く眠れるというのも半分嘘です。ミルクじゃなくてもいい。カフェインはダメですけど、あったかい物ならなんでも。白湯でもいいです。ホットミルクはミルクにトリプトファンというものが含まれていて、トリプトファンが睡眠中に分泌されるメラトニンにつながると言われるのですが、トリプトファンがメラトニンになるまで10数時間かかるので、夜寝る前に飲んだとしても効果はあまりないかもしれません。

—既に驚きの連続です。ところで、小林さんはなぜ睡眠ビジネスを始められたのですか?
僕が睡眠で受験生の頃から苦しんでいたというのがきっかけでした。親が厳しくて、ちゃんと勉強していい大学入って、いいところに就職しなさいという厳しい家庭だったので、寝ないで勉強しなさいというような教育をされていたわけです。

そのときは睡眠に対してシリアスには考えていなかったのですが、社会人になってから明らかにやばいなという状態になりました。

具体的に言うと、上司から言われた仕事、10秒前に頼まれた仕事が思い出せなくなったり、上司がよかれと思ってしたアドバイスを自分の人格を否定されたのではないかとネガティブ思考に陥ったりメンタルが不安定になりました。

それって自分だけの問題なのかと思い調べてみると、意外とそうでもなくて、睡眠不足になるとメンタルや記憶など色んなものに悪影響がでるということも分かってきたんです。

当時ネットで調べた時に出てきたのは、睡眠障害などによる経済損失の額が日本だけで3.5兆円という驚くべき数字。さらに昨年2016年で出たデータでは、15兆円とも言われているんです。要はGDPの3%が何かしらの人々の睡眠障害などによって失われているわけです。

ーそれはすごい数字ですね。大きなテーマになっている理由が少し分かりました

今日の話にも相関性があると思うのですが、ニューロスペースでは「睡眠は技術だ」と言っているんです。
そもそも「技術」というのは、小さい頃に補助輪がなくても自転車に乗れるようになりましたとか、英語が話せるようになりましたとか、免許をとって運転出来るようになりましたとか。特別な能力を生まれつき持っていなくても、誰でもスキル・知識を学んで上達させていくことができるものを言います。

睡眠に関しては全く同じだと考えています。世の中では7時間寝ましょうとか、規則正しい時間、寝る時間・起きる時間そろえていきましょうとか。休日も出来る限り平日と同じ時間に起きましょうとか色んな理想論が言われるけど、それを出来るんだったら誰でもやっているはず。それが出来ないからみんな困っているわけですよね。

今日は残業で4時間しか寝ることができないとなっても、その4時間という限られた時間の質を上げるための睡眠の技術があるんです。

—睡眠は技術ですか。でも私の周りには、英語や車の運転のように技術を教えてくれる人はいませんでした
本来であれば、その技術というのは学校で学ぶものであっていいはずです。なぜかというと、生きるための大事な知恵だからです。

寝る前にどういうことをすると質の良い眠りがとれるかとか、寝る前にどういうことをすると逆に質が悪くなるかとか・・・。そういう知識は、本来であれば学校の保健体育とかで学ぶべきことなわけです。

それを学ばないで社会人になって、睡眠はなぜ重要かということもあまり分かっていないと、仕事のため給料のために睡眠を犠牲にするのも当たり前になってしまう。気づいた頃には鬱病などになってしまって、ひどい場合には自殺にまで繋がってしまいます。

—中高生の睡眠事情はどうなのでしょう
結構ひどいと聞きますね。授業中寝たりとか、進学校だったりすると夕方に授業が終わって部活も終えて疲れているので、一旦20時とか21時くらいに1時間くらい寝てしまう。それから勉強をして夜中1・2時くらいに寝て、6時に起きるような生活をしているみたいですよ。

睡眠の原理からすると、本睡眠の前に一旦寝てしまうというのはあまり良くないんです。睡眠はバネの原理に似ていると言われていて、寝ていない時間が多ければ多いほど深く眠る力が溜まっていくという原理なので、その原理から考えると、一旦夜20時・21時に寝てしまうと、深く眠る力がなくなってしまう。出来る限り夕方以降は寝ないで溜めておいて寝るというのが原則ですね。

—ということは、お昼寝は良いと言われていますが、お昼くらいにするほうがいいのでしょうか?
そう、それくらいがベストです。仮眠は、タイミングと長さ、姿勢、そして(本睡眠とは逆に)寝る前にカフェインを取ることがポイントです。

人間の眠りの仕組みというのは、起きている状態のときに睡眠誘発物質というものが溜まっていくんですね。それが脳のある部分に作用することによって眠気がもよおされるという原理があって、カフェインは睡眠誘発物質が脳に作用するのをブロックしてくれる働きがあります。それでブロックをしておきつつ仮眠をとると質の良い仮眠になります。カフェインを摂取してから脳に効き始めるまでは30分くらいかかるので寝る前に飲んでおくと、起きてからより生産性が上がるという原理になっています。

眠気のピークって、起きてから7・8時間後におきるので、6時くらいに起きている方であれば、14時くらいに眠気のピークがきますよね。このピークがきた時に眠ってしまうと、体がこれから起きようとしているけど寝るという逆のことをしてしまうので、仮眠の質的にはベストではない。なので、このピークを迎えるちょっと前に、起きてから6時間後くらいに仮眠をとるというのがベストです。長さも30分以内に収めるのがいいですね。16分から30分がベストです。


提供:ニューロスペース

インタビュー後編はしばらくお待ち下さい

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【プロフィール】
株式会社ニューロスペース
代表取締役CEO 小林孝徳
2つの技術で現代社会が抱える睡眠不足という問題解決に取り組んでいる。
1つ目の技術は「スキル」
質の良い睡眠や睡眠のメカニズムの企業研修、eラーニングコンテンツなど睡眠改善プログラムを企業に提供している。
2つ目の技術は「テクノロジー」
睡眠を簡易的にかつ正確に計測できるデバイスを作っている

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