[宝塚OGインタビュー]宝塚受験と大学受験の両立

高校3年生から相談の多い「宝塚受験と大学受験の両立」

医学部の受験を考えながらも宝塚受験に挑戦し、見事合格されたAさんにお話を伺いました。

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—受験生から「宝塚に入ろうという気持ちが出てきて、大学受験へのやる気が出ない」という相談がきています。実際に高校3年生で受験してどうでしたか?

高校3年生の時まさしくそれでした。中学校受験で入って、そのままエスカレーターで大学まである学校だったんだけど、医学部の受験を考えていたの。

中学1年生からずっと塾に通っていたけど、高校3年生になるとみんな受験のためにすごく勉強するのね。私は、大学受験しなくても学部を選ばなければエスカレーターで大学にいけるっていうのが頭にあって、勉強に本気になれなくて。
そんな時に宝塚と出会って、授業中もパンフレットを見てしまうくらい好きになって、今の状況のまま大学受験をしても受からないだろうから宝塚受験にチャレンジしてみようかなと。でも私の場合、中学校からみんなエスカレーターで続いていくから、友達と離れるとか学校を出るということが寂しくてしばらく悩んでた。

—いつ宝塚受験を意識したのでしょう?

宝塚受験を考え始めたのが高校3年生になる前の2月で、母親に相談したのが3月。しばらく母親は反対していて、1〜2ヶ月話し合っていたら高校3年生の4月になってしまって。とりあえずこのまま勉強してもうまくいかないと思うし、1回宝塚受験を本気で考えようと思って調べたの。
パンフレットの後ろに載っている受験スクールに通った方がいいということが分かって、3つのスクールに見学に行った。1つ目のスクールでは「あなたみたいな都会っぽい子は無理」と言われて、2つ目はアットホームな雰囲気のスクールで、なんとなくピンとこなかった。3つ目のスクールに見学に行った時に「今の時点で受けようか迷っているとか、何甘ったれたこと言っているの!明日から毎日来なさい!」って言われて。
次の日に、長かった髪の毛をショートカットにして、今まで通っていた塾に行って「辞めます。私、宝塚受けます!」って宣言した。笑

—そこからは宝塚受験に専念したのですね

受験スクールに通い始めたけど、毎日本当に宝塚に行っていいのか考えていて、大学受験のことと友達と離れて本当にいいのかずっと迷ってた。
でも、受験スクールでレッスンしているうちに、他の受験生にすごく助けてもらって、その子達が泣きながら頑張っているのを見て、この子達と一緒に受かりたいという気持ちが強くなったの。

—レッスンは大変でしたか?

レッスン期間が9ヶ月しかなかったから、振りを覚えるという技術的な面で大変だった。でも、願書にレッスン期間を書く欄があるけど、長くやっていればいいというものでもないと思う。レッスン期間が短くて下手だったら下手なりに伸びしろを買ってくれる場所なんじゃないかな。
あと「あなたは真面目すぎてつまらない。その暗さは面接官にも伝わる」って言われて、どうしたらいいか悩んだよ。

—親はどうやって説得しましたか?

親は、宝塚が苦労する場所だから、わざわざそんな大変なところに入らなくてもいいと反対してたんだけど、あなたがやりたいって言うんだったら、やれるところまでやってみなさいって。和食中心の太りにくいご飯作ってくれたり、レッスン代も安くないのに出してくれたり全面的に協力してくれた。
だけど本心では、宝塚には行かなくてもいいのにって思っていたみたい。

—大学受験と宝塚受験の両立についてはどう思われますか?

私の場合、エスカレーターで大学いけばいいやっていう甘えがあったから、大学受験はほぼする気なかったんだけど、もし、宝塚受験を許してもらう条件が勉強との両立なら、勉強で親を納得させるくらいの努力ができないと無理だと思う。
もし宝塚受験だけに集中したいなら親に「1年頑張らせて下さい!もし宝塚に落ちてしまったら、1年浪人して大学受験します。そのかわり、来年大学受験をすることになったら、いい大学目指します!」くらいの宣言をしないと、親は納得しないんじゃないかな。その代わり、宝塚への思いが強い今は実感できないだろうけど、浪人生活も宝塚受験並みに精神的に苦しいことは知っておいてほしい。親には1年間余分に生活費を払ってもらうことになるし、どちらにしても覚悟が必要。

—最後の受験で一発合格!どうして合格したのでしょう?

スクールに通うまで、バレエも声楽も何も習ってなかったけど、落ちると思ってなかったんだよね。周りも前向きな人が多かったし、その1回しか受けてないから、落ちて泣いている人も見たことがなかった。倍率もあんまり実感がなくて、なんとなく大丈夫なんじゃない?って。面接で意外な質問もあったけど、緊張することもなく、そのままの勢いでポンポンと返事ができた。真剣になりすぎると凄く緊張してしまって自分を出せなかったりするでしょ。のびのび受験できたから、そこが良かったのかな。
背が高くて手足がそれなりに長ければ、それだけで男役として1歩リード!それは助かったと思う。

—受験までは大学受験や友達と離れることに悩まれていましたけど、合格してからはもう悩むことはありませんでしたか?

宝塚に合格して予科生になってからは、お掃除場所など責任のあることを任せられることが多くて凄く大変だった。お世話になった方に、宝塚を続けるか辞めるか悩んでるっていう相談をした時に「どこの道に行っても、その場所で本気で頑張っていたら、絶対に正しい道に流されていくから、今いる場所で頑張りなさい」って言われて、少なくとも宝塚に入った意味を自分で納得できるまでは本気で頑張ろうと思って続けたら、7年間も舞台にたってた。納得出来る役に出会えて退団できて、この道を選ばせてくれて支えてくれた親に感謝してる。

—やっぱり受験したいと思って受験しなかったら後悔すると思われますか?

受けなくて後悔して、それをずっと口にしているようだったら受けた方がいい。
だけど、新しく大学とか別の道で満足できていたら、受ければ良かったなんて言わないと思う。
自分が受けたいと思って親も賛成してくれているなら、本気で受けてみたらいいと思う。迷いながらどちらにも集中できないんだったら辞めたほうがいい。結局「自分がどこまで本気になれるか」なのかもね。
私、宝塚を辞めて大学を受験して思ったけど、勉強って集中力と効率がものすごく大切だと思うの。それは宝塚受験も似ていて、悩んでる人ってそこに時間をとられてしまう。もうやると決めて、本気で何も迷いなくやれば、たぶん宝塚も大学受験も結果がどうなったにしろ、自分で納得出来ると思う。
私が宝塚を受験するときに親に言われたのが「親の死に目に会えないと思いなさい」って。それってすごく覚悟のいること。親もそこまでの覚悟をして送り出してくれたんだって考えるとちゃんとしなきゃって思うよね。
厳しいことばかり言うけど後悔しないためには誰のせいにもせず「やれるだけのことはやった」って断言できるくらいの努力をしてほしいと思います。

 

〜インタビューを終えて〜

高校3年生と中学3年生での受験では、意識や背負っているものが全然違うのだなと改めて感じました。今回、厳しめの意見を頂きましたが、読んで気持ちが引き締まったのではないでしょうか。
「やれるだけのことはやった」と思えるくらい今努力できていますか。夏が終わりここから一気に受験直前期に入っていきます。私は「頑張って」という言葉が嫌いです。これ以上どう頑張るのよ!と思えるくらい「本気になっているか」今一度自分に問いかけてみてください。

 

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