宝塚の舞台裏②早替室

宝塚の舞台を見ていると、さっきまで前のシーンに出ていたのに、もう着替えて次のシーンに出てる!とビックリすることもありますよね。これを早替わりといいます。

早替わりは、衣装部ではなく、舞台袖にある早替室で着がえます。自分だけ早く舞台に出る時以外は、お衣装部さんが1人1人についているわけではないので、早替室は戦争状態です。

その早替室も、袖から遠い近いがあるので、一番近いところはトップさん。あとは、上級生から好きなところを選んでいきます。数も限られているので、私は、同期と組んで使っていました。

早替わりは、本当に秒単位での勝負なので、準備の方法は、皆それぞれ工夫しています。

自分専用の衣装かごに、出番の遠いものから入れていき、一番手前に、はじめに着替える衣装がくるように積んでいきます。かごへの入れ方も1衣装をつかむ2足をいれる3チャックを上げてもらうの3stepで終わるようにできています。

舞台が始まれば、袖から早替室に着くまでに、娘役なら手袋をとりかつらを外します。早替室に入ってからは、先程も書いたように、お衣装部さんは1人1人につくわけではないので、チャックを下ろしてくれる順番が遅い場合は、衣装からではなく、かつらから付け始めるなど、1秒も無駄にしないことで、無謀だと思われるような早替りもできてしまうのです。

タカラジェンヌに出来ないことはないと言われていますが、出来ないという選択肢がないだけです。

まだ下級生の頃、ショーの振り付けで、踊っている人の間を一輪車で通るという場面がありました。私は、一輪車にのったことがなく、ましてや、踊っている人の間を抜けるなど無理だ。と思いましたが「できません」という選択肢はありませんので、本番までの2、3週間、朝早い誰もいないお稽古場で、毎日練習したことを覚えています。

話を戻しますが、早替室には、洗濯バサミが8個くらいついた小さな物干しハンガーは必需品です。すぐに取れるように、手袋やかつらを吊るしています。

こういう方法は、上級生が下級生に教えてくれますし、下級生は上級生を見て学んでいきます。

舞台上のテクニックだけでなく、舞台袖でのマナーも上級生から教わります。

例えば、ドレスの持ち方。ドレスの裾が長くて引きずるタイプの場合はもちろんですが、引きずらなくても、誰かが引っかかってしまったり、衣装が汚れないように、後ろから前に持つよう教えてもらいます。

タカラジェンヌは、着方、扱い方を含め、ドレスのプロだと思うので、退団してからウエディング業界にいく人が多いのには納得です。

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